本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで
(引っ越し先が決まるまで何泊もするのに……!? ええと一泊一人当たりいくらだろ……)
鷹司さんは、慌てる私の耳元に顔を寄せて囁く。
「君は何も心配しなくていい。ね?」
「は、はい……!」
ホテルのエントランスでの接近。
恋人同士の距離感にまだ慣れていない私は、何も考えられなくなって返事をするのに精一杯で。
その間に鷹司さんはチェックインを済ませてしまった。
ホテル内のレストランで夕食を食べ終え、案内された部屋はロイヤルスイートルーム。
「わ……なんて綺麗……」
宝石を砕いて散りばめたような夜景に、感嘆の声が洩れる。
室内にはゴージャスなソファーにテーブル、エレガントなランプ。
奥の部屋には――キングサイズのベッド。
「汗かいたので、シャワー浴びてきます!」
私は鷹司さんの返事を聞く前にバスルームに飛び込んだ。