本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで

「栞はどう思う? そういえば、宮本優衣華がうちに来た時の詳しい状況を聞いてなかったな」

 鷹司さんに話を振られ、私は内心戸惑う。
 暴言を吐かれたので、少し伝えにくい。けれど、そもそも今回の宮本優衣華の犯行の発覚が遅れたのは、私の情報共有が不十分だったせいだ。
 事実をありのまま伝えることにした。

「……宮本優衣華さんは私が買い物から帰った時、玄関前にいました」
「オートロックがあるのに。他の住人に便乗して侵入したんだろうな」

 私は鷹司さんに頷いた後、話を続ける。

「『ここは藍堂先生の家でしょ?』と聞かれたので、逆にどちら様か尋ねました。『苅安出版の者よ、あんたは?』と言われ、ハウスキーパーだと答えたら『あんなイケメンがあんたみたいに地味な女と付き合うわけないわ』と言って帰って行きました」
「宮本優衣華は栞にそんな暴言を吐いていたのか……」

 鷹司さんは拳を握りしめて低い声で呟いたので、私は驚いてしまった。

「対峙した印象としては、攻撃性が高いので、用心した方がいいと思います」
「ウチの編集部にいる時はネコかぶってたのか。本性はそっちだろうな。栞さん、ありがとう」

 美咲さんは私に軽く頭を下げた後、鷹司さんの方を向いた。
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