本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで

「鷹司、警察には届け出たのか」
「はい。個人情報保護法とストーカー規制法に接触してそうなので、警察から警告が行ってると思うんですが……」
「なるほどな。他にも、宮本優衣華から避難するためのホテル滞在費用や慰謝料等の請求をすることもできるぞ」

 美咲さんの言葉を聞いた鷹司さんは浮かない顔になる。

「騒ぎが大きくなってマスコミに知られると、執筆に支障が出そうで……」

 私も鷹司さんに同意だ。確実に支障が出ると思ってる。
 だってもし、文芸苅安のアルバイトが藍堂鷹司をストーカーって記事が出たら、『ストーカーされるってことはイケメンなんじゃね?』と考える人が絶対出てくる。
 藍堂鷹司という名前は本名だけれど、鷹司さんの個人情報が出回っていないのは、作家になって17年の藍堂鷹司がまだ30歳だなんて誰も思ってもいないからだ。
『藍堂鷹司』で検索して出てきた情報と、作家の藍堂鷹司が結び付いてない。
 でも、これで顔バレしたら年齢もバレて、当然過去を漁る輩が出てくる。学生時代の卒業アルバムや、小学校時代の出来事なんかも掘られかねない。

 鷹司さんは背が高く印象の強いイケメンなので、一度バレたら執筆どころか平和な生活ができなくなりそうだ。
 何の非もない被害者の鷹司さんが持つ正当な権利なのに、しがらみが邪魔をしている状況が歯痒くてたまらない。

 ♪~~

 スマホの着信メロディが流れ、皆自分のスマホを見やる。
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