本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで

「鷹司はさ、今でこそ俺よりでっかくなっちまったけど、13歳当時はまだちっさくてなぁ。俺からすると、子供のような存在なんだ。だから、色々あった鷹司が栞さんのような女性に出会えて本当にホッとしてるよ、ありがとう」
「いえそんな……こちらこそ、ありがとうございます」
「あっ、そうだ!」

 美咲さんは何か思いついたらしく、自身の財布をポケットから取り出し、中から古びた写真を出して私に見せてくれた。

「デビュー当時の鷹司だ」

 今よりほっそりとして若々しい美咲さんに肩を抱かれた小柄な少年――13歳の鷹司さん。

 かっわいい!
 17年前の写真だから荒いし、前髪が長めで顔が見えづらいけれど、それを差し引いても美少年だと伝わってくる。
 でも、憂いのある表情というか、13歳の顔つきじゃない。
 何でも見抜くような目は今と同じ。

 ガチャリ
 ドアが開く音がして、私と美咲さんは顔を上げる。

「失礼しました、……あれ、なんだか2人とも楽しそうですね? 何の話してたんです?」

 打ち合わせの電話を終えた鷹司さんが、怪訝そうに首をかしげて入って来た。

「ははっ、秘密だ! なっ栞さん!」
「ええ、秘密です」

 いたずらっ子のように笑う美咲さんと私。
 鷹司さんは「えぇ……」と戸惑った声を漏らした後、仕方ないと言った感じで苦笑した。
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