本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで

第十二話 襲来

◇◇◇

 朝から私も鷹司さんも緊張した面持ちでいる。

 なぜなら、今から引っ越しの見積もりのため、一旦マンションに戻るからだ。

「警察から警告されているはずだし、苅安出版も宮本優衣華を訴えると言っていたから、接触してくるなんて愚かな真似はしないと思うが……」
「いろんなケースを想定して、用心していきましょう!」

 私は自分のお腹をぽんっと軽く叩いた。
 用心しすぎるに越したことはない。

「ああ、そうだな。よし行こう」

 ホテルをチェックアウトし、私は鷹司さんの車に乗り込んだ。

 車はマンションの駐車場に到着。
 問題はここからだ。
 このマンションはエントランスにオートロックがついているため、もし宮本優衣華が接触してくるとしたら、駐車場からエントランスまでに入るまでの間。

(この辺りは閑静で自然が多いから、その分死角も多い……)

 私は周りをきょろと見回していると鷹司さんと目が合った。
 どうやら同じことを考えている様子で、頷き合う。

「栞、エントランスまで走ろう」
「はい!」

 周囲を警戒しながら、私と鷹司さんは車のドアを少しだけ開けて、隙間から体を滑らせるようにして外に出た。
 鷹司さんと寄り添って、マンションのエントランスに向かって走っていると。
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