本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで
宮本優衣華が悔し紛れに何か叫んでいたが、どんどん大きくなるサイレンの音に掻き消された。
「通報があって来ました!」
「暴れないで」
パトカーから降りた屈強な警察官二人が、宮本優衣華を捕まえる。
騒がしかったので、近所かマンションの方が通報してくれたのだろう。
(あ、もしかして。鷹司さんがやけに大きな声で話したのは、周囲に通報してもらうためだったのかも)
――宮本優衣華は暴れて警察官を殴り、公務執行妨害で逮捕されて連行。
私と鷹司さんは警察から事情聴取を受けた後、私は一応警察病院で腹部を診てもらったが、なんの問題もなかった。
刺されなかったとは言え、ハードカバーの硬い本が勢いよく腹部に食い込んで地味に痛かったので、ホッとした。
警察署からの帰り道、お騒がせしてしまったお詫びにご近所周りに菓子折りを配り、やっとマンションに帰って来て。
休む間もなく引っ越し見積もりの業者が来たので、打ち合わせをして。
そうして今。
見積もりに来た引っ越し業者を見送り、リビングに戻ったところだ。