本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで




 マンションに帰るとすぐに鷹司さんは、

「今夜からまた本格的に仕事に集中する」

 と言って書斎に向かって歩き出す。

「無理しないでね」と声をかけると鷹司さんは振り返り、私を抱きしめてから書斎に入っていった。

 私は部屋着に着替えるため、自室に行く。
 ふと、姿見に写った自分を見つめる。
 今日の服装は水色の半袖のワンピース、髪は涼しげにアップスタイル。
 今日はジュエリーショップに行くため、綺麗めファッションでまとめていた。

(そういえば、佐山さんに綺麗になったって言われたっけ……)

 以前私をドレスアップしてくれたセレクトショップには、あの時のメイクを自分でもできるようになりたくて、個人的に行くようになって。
 日常メイクをしてもらい、使用した化粧品も買ったので、以前よりはメイクとヘアアレンジが上手くなったと自負してる。

(でも……)

『釣り合ってねーよ』

 佐山さんの言葉が、トゲのように刺さってる。
 理由は、私自身がそう思っているから。

 鷹司さんはとても魅力的な人だ。

(私も鷹司さんにふさわしい人間になりたい。……でもどうやって?)

 部屋着に着替えた私は、壁掛け時計を見やる。

(夕食の支度までまだ時間があるな……)
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