本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで

第十五話 二つのサプライズ

◇◇◇

 今日は1ヶ月前に注文した結婚指輪を受け取るため、ジュエリーショップにやって来たところだ。
 駐車場に車を停めた鷹司さんが、スマホに目を落とす。

「予約した時間には少し早いから、車の中で待っておこう」
「こういう時、車って便利ね」

 鷹司さんと他愛もない雑談をしていると、私のバッグの中でスマホがメール受信の音を立てた。

(メール……?)

 普段メールの受信はないので、私は気になってスマホを取り出した。
 さっとスワイプして受信したメールを開く。
 送り主は――……

「え?」

 メールの内容が信じられなくて思わず戸惑いの声が漏れる。
 何度も読み返しても内容は変わらない。これは夢じゃなくて、本当に現実なの……?
 スマホを持って硬直する私を、鷹司さんが怪訝そうに見ている。
 
「栞、どうした?」

 私は鷹司さんの方を向いて口を開いた。

「た、鷹司さん!」

 私の声音がいつもと違うので、鷹司さんは少し驚いた表情で私が続きを話すのを待っている。

 私は、手に持ったスマホをゆっくりと鷹司さんに向けた。
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