本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで
「私のブログに、書評の依頼が来ていて……!」
感極まりながらもなんとか伝えると、鷹司さんは笑顔で「おめでとう」と頭を撫でてくれた。
「俺はこの出版社と仕事をしたことはないが、大手で評判が良いから安心して受けていい」
鷹司さんにそう言われてホッとする。
嘘のメールだったり、嘘じゃなくても怪しい出版社の可能性もあったから、長年小説家をしている鷹司さんに信用できる出版社と太鼓判を押してもらえるなんて、こんなに心強い事はないもの。
依頼の内容は、有名な女性雑誌に載せる書評を書いてもらえないかという話で。
私が好きでやりたいことは本の感想を書いたり、読書の楽しさを伝えたりすること。
改めてそう思ってから、読書感想ブログを今までより精力的に書くようにしたら、アクセス数が増えてきたのだ。
その結果、出版社の目に触れたのかもしれない。
(うれしすぎる……!)
喜びを隠しきれない私を見た鷹司さんが柔らかく微笑む。
「栞の読書感想は作家側が読み取ってほしい部分をきちんと捉えているし、ユーモアもあって読みやすい。これからもっと仕事の依頼が来るようになる」
「鷹司さん……」
鷹司さんの言葉を聞いて私は喜びで胸がいっぱいになる。
帰ったら、いただいた仕事を精一杯頑張ろう。
「急いで返信します!」
私は失礼のないように推敲し、メッセージの返信をした。
「終わりました!」
「じゃあ、結婚指輪を取りに行こうか」
これから二人で結婚指輪を受け取るのだ。
幸せが続いてうれしくてたまらない。
店内に入り店員さんに声をかけると、すぐに持って来てくれた。
鷹司さんと私の結婚指輪。
普段付けるものだし、こういったアクセサリーを付けたことがない鷹司さんも付けやすいような、シンプルなデザインにしてもらった。
まずはルーペで刻印にミスがないかチェック。
ミスがないことを確認後、私と鷹司さんは出来上がった結婚指輪を薬指に嵌めてみて、サイズが合っているか確認を始めた。
(うん、締め付け感もゆるさもなくて丁度ぴったり)
私が自分の指輪の付け心地を確認していると、ふと隣に座る鷹司さんの手が視界に入った。
鷹司さんの長くて少し骨ばった指に、シンプルなプラチナのリング。
(指輪をしてる鷹司さん、なんだかすごく色気を感じる……!)
私は顔が赤くなりそうになるのを抑えるために、自分の指輪に視線を移す。
(鷹司さんと同じデザインなのに、私は全然色気がないな…)
「サイズの方は緩かったりきつかったり、違和感などございませんか?」
店員さんに話しかけられてハッと我に返る。
「わ、私は大丈夫です!」
「俺も大丈夫です」
ぼんやりしていたので若干噛んでしまったけれど、さすが高級ジュエリーショップの店員さんは顔に出さず、慈母のような笑みをたたえている。私も鷹司さんも問題がないので、そのまま嵌めることにした。
「では次はこちらをお確かめください」