双葉に咲いた、ニセモノ双子。
『それぞれ、新しい生を楽しんでおくれ』



精霊はそれだけ言うと、また最初のように、掻き消えた。

少しの間、呆然とする。

しかし、握る左手から流れて来た力が、わたしを現実へと引き戻した。



『……ねぇ、えっと……あなたは……』

『……わたしは、そうね。心乃華(このは)って呼んで。あんたも新しい名前をつけたら? もう、全部……壊されたから』

『なら……心乃花(このか)に、しようかな……』



女の子……心乃華に言われて、すぐに思いついた名前を答える。

少しだけ、現実にいないような、そんな気分だった。



『わたしたちは、双子ってことにするわ。そうすれば、ムリに離されることもないでしょ。あんたも意見ある?』

『……おかあさんを殺したやつを調べるために、警察になるとか……』

『あはっ、いいね! あんた、ただの泣き虫じゃないじゃん』

『そう、かな』
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