双葉に咲いた、ニセモノ双子。

破壊の赤と、終わりの夜 side心乃花

わたしが変わってしまったのはいつからだろう。

昔は、臆病で泣き虫だった。

近所の子に「泣き虫だ」と馬鹿にされることだって、よくあることだった。

でも、そう。

壊れてしまった。

少しずつ暖かくなり始めた、新月の夜に。



『逃げて、っ心音(こころ)!』



真夜中、お母さんに言われて目が覚めた。

重たいまぶたを開く。

それと同時に見えたのは、おびただしいほどの赤。

窓の外が、燃えていた。



『おかあさん……?』

『っ、大丈夫よ……ええ、大丈夫。少し火事が起きたみたいなのよ。森の方へ……そう、いつも見えていた大樹の方へ行きなさい』

『おかあさんも……』

『お母さんはお父さんと一緒にお家を守るわ。大丈夫よ、ただの火事だから。だから、そう……急いで逃げなさい』

『でも……』

『大丈夫よ。お人形のみみちゃんも、しっかり連れていくから。だから……安心して、逃げなさい。後ろは見ちゃだめよ』

『わかった……』
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