双葉に咲いた、ニセモノ双子。
納得はできていなかったけど、頷いて……言われた通りに、森の方へ駆け出していく。

しっかり、『後ろは見ちゃだめ』というお母さんの言葉を守りながら。

でも。



『ぎゃあぁぁぁあああぁぁ!!!』



村の方から聞こえた悲鳴に、振り向いてしまった。

見えたのは、ツギハギだらけの大きなカイブツ。

のっそのっそと動き回りながら、鋭い爪でなにかを切り裂いている。

切り裂かれたなにかは、真っ赤な炎よりも赤いものを吹き出して……

それが怪我をした時に出てくる血なんだと、気がついてしまった。


お、おかぁさんっ……!


恐怖で、涙がポロポロ溢れてくる。

泣きたいなんて、ちっとも思っていないのに。

唇をかみしめて、お母さんの言葉を思い出す。


いつも見えていた、たいじゅの方へ……
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