双葉に咲いた、ニセモノ双子。
心乃花はわたしの手を引っ張って、転がっていたものに近づいていく。

近くで見れば、それの正体はすぐにわかった。

うさぎの人形だ。

耳や手足など、至る所が赤黒いシミで汚れていて、灰色の埃をかぶっている。

ただ、傷はひとつもついていなかった。



「約束……守れなかった、のか、な……」



俯きながら、小さく呟く心乃花。

……どんなふうに大樹の元へきたのかは知らないけど、決して涙は出てないけど、大きく感情が動かされたのはわかった。

握る手のひらから、冷たい感情のチカラが流れ込んでくる。

わたしたそっと、じゃがみこんだ心乃花の近くにしゃがみこむ。



「……持って帰る?」

「……うん、少しだけ」



心乃花は小さく頷いて、赤黒く染まったうさぎの人形を抱き上げた。

そのまま、軽く撫でて埃を落とす。
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