双葉に咲いた、ニセモノ双子。

死霊術師 side心乃華

真っ暗な世界から、薄暗い世界へと出る。

目の前に佇む、ひとつの人影。



「……こんにちは、ゾンビ使いさん。ああ、それとも死霊術師の方がかっこいいかな?」

「どっちでもいいよ、心乃華。どうでもいいから」



わたしたちの言葉に、人影は振り向く……

そして、その顔に少しだけ驚いた。

屍人のように血の気がなく、眠っているように目を閉じている。

そして、わたしたちの言葉に表情ひとつ動かさない。

……まさか、自分をゾンビにしてんの?

ありえない……わたしたちの復讐相手はどうなるの?



「心乃華……」

「……うん、大丈夫。こいつ自身が、もう死んでんなら……これを壊すだけよ」

「……そう、だね」



はぁ、予想外だった……

最悪。

……ああ、だけど、もしこいつが神楽の一族を滅ぼしたのなら、予想はできていたのか。

神楽は影の中で歳を取らずに生きていたけど、こいつは普通の人間。

生きるためには、自分をゾンビ化させるしかなかった……みたいなことかしら。

ほかにも理由はあるかもしれないけどね。
< 82 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop