いじわる主治医は、私にだけ甘い
夕飯の時間になると、彩人が迎えに来てくれて、みんなで食卓についた。

お魚にお肉に豪華なメインディッシュが並ぶけど、あまり食欲がなく残してしまう。

「冴、食べれる範囲でいいからな」

「ーーっ」

私は口を抑えてその場で蹲る。

咄嗟に気がついた彩人がお姫様抱っこで、お手洗いまで連れて行ってくれた。

「も、大丈夫……」

「良いから。楽になるまで吐け」

汚いのに背中を撫でてくれる。
一通り吐くと、少し治まったがまだ目の前がクルクル回る。
部屋のベッドに戻された。

「低血糖かもしれないな」

「吐き気止めと一緒に点滴しよっか」

と、慶人さんも点滴を持って現れた。

「血糖値40だ。頼む、慶人」

「ごめんなさい……」

「まだ慣れない環境に身体がびっくりしたんだろう」

「大丈夫だよ。少しずつ慣れていこうね」

慶人さんが点滴してくれると気分が幾分かマシになった。
新しい環境、気に入ったのにな。

「はい……」

それでもすぐに変わることはできないんだって身をもって感じたけど、少しずつ少しずつ、返していけたらいいと2人に見守られながら思っていた。
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