いじわる主治医は、私にだけ甘い
花火大会の会場に着くと、人が沢山いて、出店も出て賑わっていた。彩人は目立つから、通り過ぎる人がみんな振り返るけど、隣にいる私には誰も目をくれなかった。当たり前か……

「なんか食べる?」

「うん! 彩人は何食べたい?」

「焼きそばとフランクフルト」

「いいね」

二人で出店で買って、その辺の芝生に座った。

「あーん」

彩人が甘えて口を開けてきたので、フランクフルトをほおり込む。

「もごもご……」

「何言ってるか分かんないよ(笑)」

「一口がでかすぎるんだよ!」

「もう、愛しいなぁ」

私が彩人に寄りかかると彩人は肩を引き寄せて甘えさせてくれた。

「もうすぐ始まるね」

「そうだな」

「ねぇ彩人、ずっと一緒にいようね」

「そうだな」

「今度はショッピングモール行こうね!」

「そうだな」

頭を撫でてくれる彩人。
きっとバレてる……慶人さんが別人みたいになって寂しいことも。


ーーパーン…ドンドン

そこから花火が上がった。
とても綺麗でお腹に響く。

切なさと愛しさが入り交じって、涙が出そうだった。

この景色を慶人さんにも見て欲しかったなんて、思っちゃいけない。
自分で選んだんだから。
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