いじわる主治医は、私にだけ甘い
「ねぇ、彩人、私はさ。ちゃんと彩人を選んで幸せだし、後悔してない」

「分かってるよ。それでも慶人の事が気になるんだよな」

「もし、私の言い方が悪くなかったら友達くらいには戻れたんじゃないかなって」

「それは分からない。慶人には慶人の考えがあるからな。冴に振られた時に、慶人の中で終わりにしたいって思いが芽生えたのかもしれない」

「そっか」

「冴、恋愛にだけはこれが正解っていうのはないんだ」

「だよね。ごめんね、せっかくの花火しっかり見よ!」

パーン、パーン、パーン

「……っズビ」

「冴」

「違う。花火が綺麗すぎるから」

「わかったわかった。そんなに泣くなら、俺からアイツに話してやるから。任せとけ」

「頑固者だよね、私。ごめん」

「それは知ってた。初めて会った時内診台乗らないって駄々こねた時から」

「それはだって怖かったんだもん」

「根っこは同じだろ、素直だってこと」

「うん。やっぱ気持ちはごまかせない。慶人さんとお友達に戻りたいー!」

バーン……

クライマックスの花火がなった時、私は彩人への愛じゃないことを言っててかなり空気読めてなかった。

でも気になるものは気になるんだもん。

「花火……きれいだったな」

「なんか思ってたのと違ってごめんね」

「そんなことない。楽しかった」

手を繋いでくれて、彩人と帰った。
彩人の手はやっぱりしっくりきて、温かかった。

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