いじわる主治医は、私にだけ甘い
仕事帰り、桐ヶ谷産婦人科に来た。
いつもの通り彩人のいる、第1診察室から呼ばれる。

「こんにちは。その後どうですか」

医者としての彩人、かっこよくてついついガン見しちゃう。

「花野さーん?」

「はっ! なんにもございません」

「じゃあ、内診してみましょう。内診台にどうぞ」

もう慣れたもので、準備して何事もないように台が動くのを待つ。

「成長しましたね、じゃあエコー入ります。見ていきますね〜。うん、子宮筋腫があったところは綺麗ですよ」

「先生、あの、私、将来子供とか持てるんでしょうか」

「少なくとも内診上は問題ありませんが、これだけでは判断できません。気になるならブライダルチェックなども受けてみるといいかもですね。パートナーとご相談されるといいと思います」

パートナーはあなたですっ、とも言えずに、頷いた。

「はい、終わりにします。台が下がりますよ。では診察室の方へ」

「先生、ありがとうございました」

「いえいえ、これからは半年から1年に1回ご自身で検診を受けてくださいね。先程のブライダルチェックのこともご相談に乗れますので、いつでもご連絡ください」

「はい。先生が手術してくれたお陰で、本当に楽になりました。これからもよろしくお願いします」

「こちらこそです。お大事に」

ぺこりと頭を下げると、席を立った。
ブライダルチェック、はまだ考えたことなかったけどいずれそんな日も来るのかなと思ったりした。
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