いじわる主治医は、私にだけ甘い
10. 結婚と甘い日々
ついに彩人と私の両親へ挨拶に行く日になった。
新しい家もラ・トーリエ渋谷に決まった。
有名人が何人も住む高級賃貸マンションだ。
更に彩人というこれ以上ないくらいの人を連れていくのだからきっと両親も喜んでくれるはず。

「でも……緊張するよぉ」

「口から本音が漏れてるぞ。というか、こちらは冴の実家が鳥取ということに驚いたんだが」

「はい、島根じゃなく砂丘の方の鳥取です」

「いや、聞いてないし分かってるし」

「飛行機の距離だから、仕事休みの日にしか来れないし、忙しい彩人に悪くて」

「ハワイに比べたら、鳥取なんて近いだろ」

「それは確かに(笑)」

彩人が緊張が解けるような会話をしてくれて、胸のドキドキが少し収まった。

「彩人、うちの親が迷惑かけたらごめん」

「そんなことないと思うけどな」

「いじわる具合は彩人のほうが上かも……」

ゴツンとゲンコツされた。

「余計なこと言うな、ほら行くぞ」

「うんっ」

私たちは羽田空港へと向かった。
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