いじわる主治医は、私にだけ甘い
慶人さん、彩人と一緒に今日は桐ヶ谷家に帰ることになった。
ちょうどお義父さんとお義母さん、凛さんが日本に帰ってきているとのことだったから。

「お帰りなさいませ。皆さま。旦那様たちはリビングの方にいらっしゃいます」

「さとじいも話は聞いてるな?」

「ええ、存じております。ご懐妊、誠におめでとうございます」

「ありがとう、でも冴ちゃんの場合、簡単じゃないから」

「失礼しました」

「いいえ、気になさらず」

中にどうぞ、との言葉でリビングに入ると、凛さんが抱きしめてきた。

「冴ちゃーん久しぶりー! ねぇーエコー見せてよ。……ん?これが赤ちゃん?! もうかわいい!!」

「お義父さん、お義母さん、お久しぶりです。突然のご報告になってしまい、すみません」

「こちらこそ愚息がすまない。体は大丈夫か?」

「つわりは少しありますが、幸い軽い方な気がします。大丈夫です」

「私はタイミングはくるべき時に来ると思うの。冴ちゃんにとっては突然かもしれなくても、赤ちゃんは今だと思ってきてくれたのよ。彩や慶たちも私たちが思ってるよりずっと早く来てくれたのよ」

「そうなんですか!?」

「しかも、双子。私も、始めは死んじゃうんじゃないかって覚悟したわよ。でもきっと来るべくして来る子達だったのね。案ずるより産むが易し、産んだら逞しくなっちゃった」

「なんだか励まされました。色々心配おかけするかもしれませんが、私、この子を大切に育んで産もうと思います」

「俺もいる」

「僕も全力でサポートする」

「いざとなればお義父さんと呼んでくれたら、飛んでいくよ(笑)」

「お義父さん、みんな、ありがとうございます」

「じゃあ、凛は小児科医になって、冴ちゃんの子供の主治医になろうかな」

「え!? 凛ちゃんはお医者さんになるの!?」

「うん! 今の仕事も続けながらやるよ。凛は頭いいもん」

「確かにな」

「うちで一番かもしれない」

凛ちゃん、インフルエンサーで医者にもなるなんて凄すぎるし、私のためにうれしいよ。

「凛ちゃん応援するからね!」

「だから、冴ちゃんもがんばるんだよ」

「分かった」

桐ヶ谷家から歓迎された気がして、うるうると来てしまった。

「泣かないで、冴」

涙をサッと拭いながら、頭を撫でてくれる彩人。

「ほら、みんなご飯を食べましょう。冴ちゃんは辛かったら言ってね」

「今は大丈夫です」

そうして賑やかな雰囲気の中で、ご飯を食べて、落ち込んでいた気持ちが少しずつ解けていった。

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