いじわる主治医は、私にだけ甘い
12. 楽しい時間と誕生までの軌跡
妊娠中期、安定期に入った。
無事につわりも終わり、仕事にも復帰した。
と言っても産休と同時に退職予定だから、ほとんど引き継ぎの緩めのお仕事しかしていなかった。

「冴に何かあったらと思うとこっちがヒヤヒヤするから」

「会田さん、ありがとうございます」

「そう言えば、性別ってもう分かったんですか?」

「相馬くん、実はこの間分かったんだ」

「「どっち?」」

「てへへ……女の子だそうです」

私はお腹を撫でながら、微笑む。

「女の子かぁ、冴に似てとびきりかわいいんだろうな」

「旦那さんもメロメロでしょう」

「はい、もう毎日名前はどうするかってうるさくて」

「そりゃそうなるわよ」

他にも、彩人はベビー用品の買い物に行ってはにやにやしながら女の子はこういうの着せたいよな! とバカパパっぷりを発揮している。

「もう、まだ産まれてないんだから早いよ〜」

「いいだろ、見るくらい」

「あ、お腹動いた『パパ気が早すぎ』って言ってるのかも」

「え、触りたい。あーまた逃した」

「パパが触ると止まるもん(笑)」

「ツンデレ、だな」

新婚生活は長くは楽しめなかったけれど、こんな毎日も幸せだなと心から思えるようになっていた。
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