Nocturne of Light~ノクターン オブ ライト~
カインはリリィへと視線を向け

「お嬢さん、心当たりある?」
「心当たり···」

その言葉に、
リリィは今までのことを思い出していた。


「昔」
小さく呟く。
「私が16歳くらいの頃」

カップを包む指先に、
少しだけ力が入る。

「私、小さな田舎村に住んでました」

浮かぶのは懐かしい景色。
緑に囲まれた、
穏やかな村。


みんな顔見知りで、
静かで
あたたかい場所。



「平和だった」

少しだけ、
リリィの表情が柔らかくなる。
< 36 / 78 >

この作品をシェア

pagetop