キミと歌姫はじめました!
* * *
気づけば、時計の針は深夜0時を指していた。
「……え、もうこんな時間?」
有栖はぼんやりと画面の時計を見て呟く。
夕飯を食べた記憶もない。
ただひたすら、夢中で曲を書いていた。
ノートの上には、ぎっしりと書き込まれたコードとリズムのメモ。
数時間前までバラバラだった断片が、今はひとつの形になりかけている。
「とりあえず、ここまでは完成」
零がギターを軽く叩きながら言った。
「大まかな構成はできたね」
「うん……やば、ほんとにできたじゃん」
有栖は少し呆然としながら笑う。
ずっと無理かもと思っていたものが、ちゃんと形になっている。
まだ完璧じゃない。
でも、確かに前に進んでいる。
「じゃあ、今日はここまでにしようか」
零がギターをケースに戻しながら言う。
「続きは明日だね」
「うん……そうしよ」
有栖は大きく伸びをした。
身体のあちこちが重い。
でも、妙に心地いい疲れだった。
有栖はクローゼットを開けて、布団を引っ張り出す。
「泊まってっていいの?」
零が目を瞬かせる。
「今さら帰るのもだるいでしょ」
「まあ、それはそうだけど」
軽く笑い合う。
有栖は部屋の隅に座椅子やミニテーブルをずらして、
スペースを作った。
布団を広げると、ふかっと空気が抜ける音がする。
「はい、完成」
「雑」
「いつもこんな感じじゃん」
零はふっと笑って、ギターケースを壁際に寄せた。
部屋の明かりが少し落ちる。
静かになると、さっきまでの音が余韻のように残っている気がした。
「……ねえ」
有栖がベッドに座りながら言う。
「ん?」
「なんかさ」
少しだけ笑う。
「今日、めっちゃ楽しかった。」
零は一瞬だけ止まってから、
「僕も、今まで一番かも。」
とだけ返した。
それ以上は何も言わない。
でも、それで十分だった。
同じ部屋で眠る2人。
窓の外は静かな夜。
まだ完成していない歌。
でも確かに、形は見え始めている。
その真ん中に、2人はいた。
気づけば、時計の針は深夜0時を指していた。
「……え、もうこんな時間?」
有栖はぼんやりと画面の時計を見て呟く。
夕飯を食べた記憶もない。
ただひたすら、夢中で曲を書いていた。
ノートの上には、ぎっしりと書き込まれたコードとリズムのメモ。
数時間前までバラバラだった断片が、今はひとつの形になりかけている。
「とりあえず、ここまでは完成」
零がギターを軽く叩きながら言った。
「大まかな構成はできたね」
「うん……やば、ほんとにできたじゃん」
有栖は少し呆然としながら笑う。
ずっと無理かもと思っていたものが、ちゃんと形になっている。
まだ完璧じゃない。
でも、確かに前に進んでいる。
「じゃあ、今日はここまでにしようか」
零がギターをケースに戻しながら言う。
「続きは明日だね」
「うん……そうしよ」
有栖は大きく伸びをした。
身体のあちこちが重い。
でも、妙に心地いい疲れだった。
有栖はクローゼットを開けて、布団を引っ張り出す。
「泊まってっていいの?」
零が目を瞬かせる。
「今さら帰るのもだるいでしょ」
「まあ、それはそうだけど」
軽く笑い合う。
有栖は部屋の隅に座椅子やミニテーブルをずらして、
スペースを作った。
布団を広げると、ふかっと空気が抜ける音がする。
「はい、完成」
「雑」
「いつもこんな感じじゃん」
零はふっと笑って、ギターケースを壁際に寄せた。
部屋の明かりが少し落ちる。
静かになると、さっきまでの音が余韻のように残っている気がした。
「……ねえ」
有栖がベッドに座りながら言う。
「ん?」
「なんかさ」
少しだけ笑う。
「今日、めっちゃ楽しかった。」
零は一瞬だけ止まってから、
「僕も、今まで一番かも。」
とだけ返した。
それ以上は何も言わない。
でも、それで十分だった。
同じ部屋で眠る2人。
窓の外は静かな夜。
まだ完成していない歌。
でも確かに、形は見え始めている。
その真ん中に、2人はいた。