経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
「いや。無理。無理だって。そういうのって無理すると本当に痛々しくなるから止めておいた方が良いよ。悪いこと言わないから」

 あはははは。と、声を上げて笑う宮城を綾音は怯えて、司は楽しそうに見ている。

「じゃあ、瀬戸さんの彼がこの会社にいたらどうです? それで宮城さんは引きますか?」

「…え?」

 その言葉に宮城は固まった。その可能性を全く考えていなかったらしい。目を丸くして綾音を見る。綾音は震えて小さく頷いた。

「…は? え? この会社にいるの? 誰? っていうか、じゃあ入社してから付き合い始めたってこと? 六月の時点ではもう彼氏いるって言ってたのに? そいつ手が早過ぎるだろ。でも、だとしたら配属も決まる前…? …どういう事?」

 いや、お前もそれ位のタイミングで声を掛けて振られたって聞いたぞ。と、司は心の中で突っ込む。

「そんなにすぐに付き合うの決めるとか、瀬戸ちゃんってそういう」

「宮城さーーん。暴走し過ぎですよー。色んな可能性があるじゃないですか。元々知り合いだったとか、付き合っている二人が同じ会社に入ったとか」

「…そ、そうか…。え? とにかくこの会社にいるのは間違いないのか? 誰だよ…」
< 134 / 154 >

この作品をシェア

pagetop