経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
 さっき教えられないと言ったし、これで話は一旦解決しそうだ。この後も探られそうで不安は残るけど、これで良いんだよね。と、少しほっとした綾音に恋人の声が聞こえてくる。

「誰ですかねぇ? っていうか宮城さん、眼鏡だけで人が分からなくなったら営業困りませんか? 過度な思い込みも良くないですよ」

 そう言って、別に度が入っている訳でもない眼鏡を外して胸ポケットに掛けた。特に理由のない行動だと思っているのだろう。まだ気付く様子もなく、ぽかんと目を丸くしている宮城に司は笑った。

「綾ちゃん。行こう」

 そして、部屋に来ない? と誘った時と同じように綾音の腰を抱いて、顔を近付けて囁いた。宮城さん。これを見たんでしょ? 流石に理解しましたか?

「え、つ、司、く…っ?」

「…え?」

 と呟いた宮城を置き去りにして綾音をその場から連れ出した。全く。これで少しは牽制できたかな。これで他も大人しくなってくれれば良いんだけど……。

 うーーん……無理な気がするなーーーっ。ちくしょう。どうしてくれよう。どうすれば良いんだ。もう結婚しようかな。そうすれば流石に大人しくなるだろ…。

 そしてふと思い付いた妙案に、怒りのあまりさっさと通り過ぎようとした司は足を止めて戻ってくる。結婚か。いいな。凄くいい。別にごたごた関係なくしたい。よし。しよう。うん。そうしよう。

 その前に彼女に言っておくことがある。腰を抱かれておろおろしている綾音を放して向かい合い、開口一番こう言った。

「だから言ったでしょ! 綾ちゃん!! 男は皆ハイエナなんだよ! ハイエナだけじゃなくてもう、その前段階のライオンとか狼もわんさかいるの! 気を付けて!!」

「ぴえ…っ」

 自分がラーテルだと思われている事なんて当然知りもしない司は一丁前に綾音に説教をかました。
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