経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength

強いっていうか重い

「いや…それは…綾が悪い訳じゃなくない?」

 そして集まった三人組。二人の様子がおかしいし、聞けば会社でひと悶着あったという。あらあらあら。と、舞は薄ら笑いを浮かべて呟いた。

「綾ちゃんが悪いとは言ってない。ただ、絶対こういう事があるから気を付けてねって言った時に二人とも『まさかー(笑)』って言って聞く耳持たなかっただろうが」

 お前も同罪だ。とばかりに司は舞を睨み付ける。はいはい。すいませんでしたよ。しつこいなぁー。綾ちゃんのこととなると、途端に人が変わるんだから。人っていうか生態変えて、たんぽぽにもラーテルにもなるんだから。凄いよねぇー。

「そんなに心配ならもう結婚しなよ」

「ひえっ。舞ちゃ」

「うん。する」

「えっ? 司く?」

「取り急ぎ金を貯める。いざとなれば仕事辞めて貰う為にも先立つものは必要だしね」

 その言葉に女子二人はどん引きしている。

 やがて舞が呆れながら口を開いた。

「…彼女を操作したり束縛し過ぎるのってどうなのかしらー。そういう男って最終的に女を下げて自分のプライドを守ろうとしたりするのよねー」

「綾ちゃんには気兼ねなく目一杯好きなことをして欲しいと思ってるよ。俺はそこに口を出すつもりはない。でも仕事を辞めないのと辞められないのは違う。理不尽な場所で我慢してまで働かせたくない。その時の為の保険に決まってるだろうが」

 見事なまでのピッチャー返しを食らって舞は絶句する。真性は強い。っていうか重い。激重。

「…分かった! お前に綾を預ける! お前しかいない! 結婚しろ!」

「立花に言われなくてもするわ」

「…」

 あまりの迫力に綾音は口も挟めない。

 そして本人を無視したまま、二人は勝手に結婚を決めた。
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