経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
 さて。

 とはいえ親友を置き去りにした罪悪感は物凄い。これで良し! と、意気揚々と講義を受け始めたものの、中盤になる頃には正気に戻って焦ってきた。綾、大丈夫かな。上野はどうでも良いけど。

 どうしても気になるし、確認しないと講義に集中できないと綾音にメッセージを送る。

「さっきは置き去りにしてごめん。大丈夫だった?」

 するとすぐに返事が返ってくる。綾音はこの時間講義は無いと聞いていたし、そこは良い。問題はそこではない。

「大丈夫だよ。まだ一緒にいるよ」

 なぬ? その文字に思わず目を剥いた。あれからもう一時間近く経ってますが? ご飯はもう食べ終わったよね。じゃあ、上野に引き留められているの? 余計に悶々としていたら綾音から追加のメッセージが届く。

「次の講義一緒だからそれまで」

 そういうことか。と、納得した。終わりが決まっていれば安心だ。

「それ受けたら今日は終わりだよね? 帰りにちょっとお茶しない?」

「舞ちゃん、今日はもうお終いでしょ? 待たせちゃうけど良いの?」

「良いの良いの。待ってる」

「分かった。楽しみにしてるねー」

 の、やり取りをしてやっと講義に集中した。
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