経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
「そんな悠長なこと言って何も行動しなかったばっかりに、誰かに綾ちゃん取られたら責任取ってくれんの? 立花に信用される男じゃなきゃ綾ちゃんも立花も安心できないだろうと思って、俺、ちゃんとやったじゃん。その上で自由行動を認められたのに、その先まで口出される筋合いは無いよ」

 その言葉を理解するのに時間がかかった。そしてはっきり全部理解しきる前に、そもそもの疑問を口にする。

「…ただの一目惚れの癖に」

 その言葉に司は笑った。

「いつまで初対面のままだと思ってるの? 流石にもう確信してるよ。これ以上様子見る必要が無いくらいには」

「あ…綾の気持ちとかタイミングは無視って事?」

「準備万端になったかなんて他人が外から見てるだけで分かる? そもそもアプローチもしなかったら準備してくれるのかどうかも怪しいよね。ま、どっちにしてももう遅いし、諦められないから結果は同じだよ」

「相手の気持ちをねじ曲げるって事?」

「いや? 駄目だと分かってても告白はするって意味」

 そこまで話して、今まで自分が強かったのは司が引いていたからだとはっきり理解した。圧倒的に弱い立場の筈の司が全く揺るがない。同じ土俵に立ったら言葉ですら勝てない。

 それ程司は強い。
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