経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength

ハイエナの方がまだまし

 どうなることかと舞が心配した二年の終わり。

 けれど三年生になっても二人…いや、三人の関係は表面上変わらなかった。綾音と司は時々二人で勉強をしたり食事をしているようだけど、全て構内でのこと。それも目立たない様に上手いことやっているらしい。外で会う時は、それ以前の様に三人に何となく落ち着いた。それは綾音に確認した訳ではないから確実ではなかったけれど多分間違いない。一緒にいても安心した様子の綾音を見て舞はそう思った。

 でも、お前が本体ラーテルで頭にたんぽぽ載せてるだけなのは分かってるんだからな!

 舞は絶対に油断しない。だからと言って何をどうする訳でもないけれど、ずっとそれを心に持ち続けていた。それ程までに司の手の平返しが衝撃的だったとも言える。

 そんな風に過ごし、夏を迎える頃。舞と綾音はカラオケにいた。けれど歌う訳でもない二人にメッセージの着信音が聞こえてくる。スマホを見た綾音が呟いた。

「…あ、司君だ」

「何だって?」

 特に反応する訳でもなく手元を見ながら舞は言った。

「今日、サマーインターンの説明会に行ったんだって」

「もう? 早いね」

「金融系は早いみたい」

「で?」

「その話聞いた時、どんなだったか教えてねって言ったからその連絡と、あたしはどんなところ目指してるの? って」

「ふーん」

 相変わらず手が早いのか遅いのが分からない男だ。がつがついく訳でもないのにタイミングは見逃さない。だから綾音も警戒しないんだろう。外から見ていると思うことは色々あるけれど。
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