経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
「綾はもう決めてるの?」

「うーん…マーケティングとか企画、良いなと思ってるんだけどまだぼんやり…。どっちにしても総合職の応募になるだろうしね」

 そう言いながらスマホを見て綾音は困った顔をしている。長文を書こうとして躊躇っているのか、進路をどう書こうか迷っているのか。

 それを見ていて思い付いた。

「あっちが暇ならここに来て貰えば?」

「え? 良いの?」

 あれから三人で会うことも勿論あるけれど、二人で会っている時に司を誘うのは珍しい。そんな顔をして呟いた綾音に舞は心の広さを見せつけつつ頷いた。

「あたしは別に構わないよ」

 とか言いつつ、本当は自分もインターンの話を聞きたいだけである。あいつから少しでも得を貰わないと腹の虫が治まらない。少しはあたしの役に立て。それに、今呼んだら面白いことになりそうだしね。にやにや。と、舞は綾音を見つつ、いつかの司のように悪い顔をした。

 この後、こんな事をしなければ良かったと激しく後悔した。連絡先を交換しろと言った時よりも激しく後悔した。でも、それは舞が未熟だからではない。司がぶっ飛んでいるだけなのである。
< 37 / 154 >

この作品をシェア

pagetop