経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
 ぶんぶんぶん。と、綾音は首を横に振った。はいはいはい。でしょうね。見てれば分かった。そんな気はしてた。

 でも何か、その理由も明らかだわ。今は綾音を甘やかしまくりたいとか、それまでの時間もそれはそれで楽しいしじっくりと味わいたいとか、どうせそんなことだろう。あいつの考える事なんて一周回って単純だ。単細胞だ。本当に頭良いのか? 本当に複雑な経済読み解いているのか? そっちが疑わしくなってくる。

「あの…どうしよう。舞ちゃん…」

 やがて泣きそうな顔で綾音は呟いた。

「何が」

「つ、司君、あんなに甘やかしてくれるとは思わなくて、どうしたら…。あの、惚気じゃ無くて、本当に」

「…ソウダネー」

 綾音を見ていても良く分かる。滅茶苦茶大切にされているから既成事実なんか無くても気持ちを疑う様子も無い。寧ろ大切にされすぎて戸惑っているようだ。…は? え? 改めて思うと異常だな。こいつら社会人だぞ? 出会ってもう三年目だぞ? それで手を繋いできゃっきゃしてるの? そんな事ある? バカップルだ。こいつら、ただのバカップルだ。

 …ふっ。と、アンニュイに笑って舞は言った。
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