経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
「俺、子どもの頃に行ったっきりで詳しくないんだけどさ。綾ちゃんは?」

「あたしもちっちゃい頃に行ったっきり」

 そこで、ははは。と二人で困った様に笑ってしまった。きっと自分達でどこかに行こうと計画しても、この行き先を選ぶことないだろう。だからこそ、こういう機会を貰えるのは本当に有難い。

「そっか。じゃあ、素人二人で行こうよ」

「わー。良いの?」

「勿論。まぁ、貰い物なんだけど」

「あはは」

 じゃあ何時にしようかー。と、二人で考えた。確実に土日は休めるからもう普通の週末でも良いよね。

「思い切って来週の連休に行っちゃう? 流石にちょっととは言え、遠出して翌日仕事はきついでしょ。月曜日休みの方が良いよね。夏休み本番になると混むだろうし」

 司が電話の向こうで呟く。今後の仕事もどうなるか分からないし、上司にお礼をする絡みもあるのだろう。そう考えると夏休み後よりは前の方が確かに良いと思う。月曜日が祝日の、おあつらえ向きの三日間。

「うん。あたしは大丈夫。行っちゃおうか」

「じゃあ、予約取れるか確認する。とはいえ、こんなに近いと流石に難しいかなぁ…?」

 独り言とパソコンを叩く音が聞こえてくる。わくわくしながら待っていたら「…ん?」と、怪訝そうな声が聞こえてきた。どうしたのかな? 流石に一週間後は無理なのかな。学生も夏休みに入るし。そう思っていたら暫く沈黙していた司が呟いた。

「綾ちゃん、ごめん。ちょっと待ってて」

「うん」

 そして電話が切れたので大人しく待っていた。三十分くらいして、また司から電話が掛かってくる。
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