経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
「ごめんね。お待たせ」

「大丈夫?」

「大丈夫。…なんだけど、このチケット、思ってたより凄いチケットだったみたいでさ。うーんと…詳しくは明日話すけど、サイトにチケットの番号入れたら専用番号に掛けろって出たから掛けてみたら希望の日にちだけ聞かれて、予約取れるか聞いたらこのチケットは一年通してどこでも予約可能だし、それ以外の事もこちらで全部手配しますって言われて」

「へ…へぇ…?」

 詳しくない自分ですら、テーマパークの入場券も入手困難なことを知っている。夏休みに入る時期なんて尚更だ。ホテルなんてもっと激戦の筈なのにどういうことなんだろう。

「後でプランの詳細メールでくれるらしいけど、パレードがテラスから見える部屋だとか全アトラクション優先搭乗とかショーの観戦席は最前列を準備しますとか言われて、ちょっとびびってる…」

「えええええ?」

 どんなお祝いならそんな特別なプランになるのかと綾音も驚いて悲鳴を上げた。それを新入社員にぽいっとくれるの?

「これ、間違ってないかな…」

「上司さんに確認する?」

「でも、上司から連絡行ってるっぽいんだよね…」

「そうなの?」

「それに、実はおいそれとは会えない人でさ…。貰ったものを確認するのもなぁー…」

 うーん…。と、暫く二人で唸った。綾音は理由も無く唸っていたけれど、とにかくおかしいことは分かるので唸っていた。

 やがて司が呟く。

「いや、もう考えるの止めよ。貰ったものは疑わずに楽しまないと失礼だし。お礼には行くつもりだから、そこで確認できたら確認するよ」

「う、うん…」

「これが役員の凄さなのかな。俺、ちょっと見る目が変わったかも…」

 そう呟いた司の真意を、綾音は敢えて聞くことは無かった。
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