訳あり王子の守護聖女
 白髪混じりの金髪に青の瞳、厳めしい顔つき。

 高座にいるのはバーベイン様と、その隣に佇む宰相らしき恰幅の良い男性だけ。

 本来バーベイン様の隣に座るべき王妃ドラセナ様はルカ様を生んですぐに亡くなってしまい、以降十六年間、王妃の座は空席のままだ。

「その娘は何者だ。何故余の王宮にいる。納得のいく理由を申してみよ」

「ステラは一年前、戦場で死を迎えようとしていた私を救った恩人なのです。私はそのときに礼として指輪型の魔導具を渡しました」

 魔導具とは、魔石や魔力を動力源として様々な能力や効果をもたらす道具の総称である。

 遠く離れた場所に移動するために使われる『瞬きの扉』も魔導具の一つだ。

「三日前、魔導具を通じてステラの危機を知った私はノクス様と女官に助力を乞い、国境の山まで救出に向かいました。女官の力によってステラは一命をとりとめましたが、衰弱が酷く、すぐに目覚めることはありませんでした。そこで王宮に連れ帰ったのです。大恩に報いるためにも、ステラの介抱を信用できない他人に任せることはできませんでした」

「…………」
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