訳あり王子の守護聖女
 ルカ様が扉を守る兵士たちに向かって小さく頷くと、兵士たちは左右対称の動きで扉を押し開けた。

 大理石で造られた謁見の間は三階までの吹き抜け構造になっていた。

 見上げるほどに高い天井からは巨大な水晶をそのまま削り出したらしい半透明のシャンデリアが等間隔に吊り下げられている。

 眩いばかりの絢爛豪華な空間に圧倒されて息を飲む。

 私が怯んでいる間に、ルカ様は金の刺繍が入った緋色の絨毯の上を堂々と歩き始めた。

 緊張すると言っていたのに全くそれを感じさせないのは、強く在ろうとしているからだ。

 私は息を吸い、腹の上に手を重ねて足を踏み出した。
 滑るような足運びでルカ様に付き従い、玉座の前に跪く。

「偉大なる国王陛下の招集に応じ、第三王子が参上致しました。この者はステラ、私の助けた娘です」

 片膝をついて左胸に右手を当て、頭を下げた姿勢でルカ様が言う。

「国王陛下にご挨拶申し上げます。ステラと申します」

「――両者とも面を上げよ」
 威厳に満ちた重々しい声に促されてルカ様が、続いて私が顔を上げた。

 数段高い位置にある玉座から国王バーベイン様が私たちを見下ろしている。
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