ワンナイト限りの割り切り関係に「もう一度」は無粋です! ~正反対な私たちは今日も意見が合いません~
残された私の目の前には、細工された様子が一切ない水の入ったグラスが1つ。私の警戒心の高さを察したのか、新品のグラスに水が注がれている。
(察しがいいのか、勘がいいのか)
ここまで気を遣われて完璧に振る舞われると、それはそれで一周回って怖い。
(…でも…、たまにはこういうのもいいかな)
やはり他人事のような思考のまま、私はグラスを傾けた。喉を通るのは、程よく冷えた美味しい水。シャワーを終えた体にはちょうど良い冷たさだった。
「ふぅ…」
何をするわけでもなく、飲み干した空のグラスを見つめる。
今日の相手__リョウさんは不思議な人だ。紳士的で優しそうで、如何にもモテそうな雰囲気がある。
だからこそ疑問なのだ。
どうして私のような『条件付き』を選んだのか。
優しいと噂のイケメンでも、奥底では妙な加虐心など厄介なものを抱えていることが多い。現に、そういう人を何人も見てきたし、何人も相手してきた。だからこそ、不思議で仕方ない。彼が奥底に抱えるものが見えてこないから。
(まあ、ベッドに上がれば分かることね)
紳士的に振る舞うことで、奥底の欲求を隠したがる人だっている。それもベッドに上がるまでは、だが。彼がたまたまそのタイプだと思えば、何ら変な話ではない。そうだ、そうに決まっている。
「おや、眠たくなってしまいましたか?」
そんなことを考えていると、上から声が降ってきた。ビクリと肩を跳ねさせれば、少し笑ってから謝られた。いつの間にかバスルームから出てきたらしい彼もまた、このホテルのバスローブに身を包んでいた。少しはだけた胸元から見える鍛えられた胸筋がやけに色っぽく見えてしまう。着やせするタイプなのかスーツを着ていた時は分からなかったが、意外にもガタイがいいらしい。
「まさか。今からがメインじゃないですか」
彼の優しい一面を無性に剥がしたくなり、煽るように笑って見上げる。すると、彼は驚きつつも嬉しそうに上品な笑いを漏らした。
「良かった。僕だけが楽しみだったわけじゃなかったんですね、安心しました」
尚、ほんの少し口調が崩れただけだった。
ああ、やめやめ。こんな心理戦を持ち込むなんて、私らしくない。いつも通り、何も考えずに立ち回ればいいだけ。
私は__
「勿論じゃないですか。今夜はあなたの好きにしてください」
たった一夜に咲く、唯一無二の『ハナ』なのだから。
(察しがいいのか、勘がいいのか)
ここまで気を遣われて完璧に振る舞われると、それはそれで一周回って怖い。
(…でも…、たまにはこういうのもいいかな)
やはり他人事のような思考のまま、私はグラスを傾けた。喉を通るのは、程よく冷えた美味しい水。シャワーを終えた体にはちょうど良い冷たさだった。
「ふぅ…」
何をするわけでもなく、飲み干した空のグラスを見つめる。
今日の相手__リョウさんは不思議な人だ。紳士的で優しそうで、如何にもモテそうな雰囲気がある。
だからこそ疑問なのだ。
どうして私のような『条件付き』を選んだのか。
優しいと噂のイケメンでも、奥底では妙な加虐心など厄介なものを抱えていることが多い。現に、そういう人を何人も見てきたし、何人も相手してきた。だからこそ、不思議で仕方ない。彼が奥底に抱えるものが見えてこないから。
(まあ、ベッドに上がれば分かることね)
紳士的に振る舞うことで、奥底の欲求を隠したがる人だっている。それもベッドに上がるまでは、だが。彼がたまたまそのタイプだと思えば、何ら変な話ではない。そうだ、そうに決まっている。
「おや、眠たくなってしまいましたか?」
そんなことを考えていると、上から声が降ってきた。ビクリと肩を跳ねさせれば、少し笑ってから謝られた。いつの間にかバスルームから出てきたらしい彼もまた、このホテルのバスローブに身を包んでいた。少しはだけた胸元から見える鍛えられた胸筋がやけに色っぽく見えてしまう。着やせするタイプなのかスーツを着ていた時は分からなかったが、意外にもガタイがいいらしい。
「まさか。今からがメインじゃないですか」
彼の優しい一面を無性に剥がしたくなり、煽るように笑って見上げる。すると、彼は驚きつつも嬉しそうに上品な笑いを漏らした。
「良かった。僕だけが楽しみだったわけじゃなかったんですね、安心しました」
尚、ほんの少し口調が崩れただけだった。
ああ、やめやめ。こんな心理戦を持ち込むなんて、私らしくない。いつも通り、何も考えずに立ち回ればいいだけ。
私は__
「勿論じゃないですか。今夜はあなたの好きにしてください」
たった一夜に咲く、唯一無二の『ハナ』なのだから。