ワンナイト限りの割り切り関係に「もう一度」は無粋です! ~正反対な私たちは今日も意見が合いません~
 ホームへ降りるエスカレーターを下りながら、私はアプリを開いた。それは例のマッチングアプリ。『リョウ』と表示されたトーク画面を呼び出し、迷うことなくブロックボタンを押す。そして、彼とのやりとりを削除した。

 これで繋がりはなくなった。わずかな虚脱感と彼に抱かれた感触がじんわりと残るだけ。それも、明日の朝には消えてなくなっていることだろう。

 ちょうどいいタイミングで電車が滑り込んできた。私は流れる景色を眺めながら、日常へと戻っていくのだった。
< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop