Automatic Love
「蒲田がさぁ?」
遠藤さんのデスク傍で『彼女』に愚痴を漏らす先ほどの近江さんの横顔が視界に入り、私の脚は急ブレーキをかけた。
頭の中で緊急アラームが鳴り響いて、私は目を丸くして慌てて背中を向ける。
普段から親しげに話す彼女達の姿を見慣れていたのに、この瞬間まで忘れていた事にようやく自分で気づいた。
何とも情けない。
その光景が脳裏に焼き付いて。私はこの日、結局「遠藤さん」に落とし物を届けることは叶わず。
翌日午前。
出勤した頃に、ようやく彼女へ付箋を差し出した。
「……え?」
付箋を差し出すと、遠藤さんこと遠藤希沙さんは、デスク席に腰掛けたまま、私の顔をキョトンと見上げた。
今年で28歳の彼女は、本社内では有名な「モテ女子」だった。
顔立ちは勿論のこと、その立ち居振る舞いが綺麗で、トイレでどこかの女子が「遠藤さん肌も所作もキレイで羨ましいよねぇ」と言っているのを、私も聞いたことがある。
「昨日、食堂に落ちてて…渡そうと思ったんですけど…その、近江さんと喋ってたから邪魔したらいけないと思って、渡しそびれたんです。…じゃ……、私これで」
チラチラと相手の目を見ながら、そう言い残して去ろうとした私。
しかし、そんな私を、彼女は「ねぇ!」と引き留めた。
「お昼、時間ある?」
遠藤さんのデスク傍で『彼女』に愚痴を漏らす先ほどの近江さんの横顔が視界に入り、私の脚は急ブレーキをかけた。
頭の中で緊急アラームが鳴り響いて、私は目を丸くして慌てて背中を向ける。
普段から親しげに話す彼女達の姿を見慣れていたのに、この瞬間まで忘れていた事にようやく自分で気づいた。
何とも情けない。
その光景が脳裏に焼き付いて。私はこの日、結局「遠藤さん」に落とし物を届けることは叶わず。
翌日午前。
出勤した頃に、ようやく彼女へ付箋を差し出した。
「……え?」
付箋を差し出すと、遠藤さんこと遠藤希沙さんは、デスク席に腰掛けたまま、私の顔をキョトンと見上げた。
今年で28歳の彼女は、本社内では有名な「モテ女子」だった。
顔立ちは勿論のこと、その立ち居振る舞いが綺麗で、トイレでどこかの女子が「遠藤さん肌も所作もキレイで羨ましいよねぇ」と言っているのを、私も聞いたことがある。
「昨日、食堂に落ちてて…渡そうと思ったんですけど…その、近江さんと喋ってたから邪魔したらいけないと思って、渡しそびれたんです。…じゃ……、私これで」
チラチラと相手の目を見ながら、そう言い残して去ろうとした私。
しかし、そんな私を、彼女は「ねぇ!」と引き留めた。
「お昼、時間ある?」