Automatic Love
 遠藤さんは、画面をタップして再度画面を私に見せた。

「私も『(たちばな)海人(かいと)』って言う名前のアンドロイドを今利用してて。休みの日は彼とデートしてるの」

 スマホを受け取って画面を見た私はポカンとしていた。
 あまりにも自然なロボットだったからだ。
 画面に2人で顔を寄せて映り込む姿は恋人そのものだ。
 ロボットだと言う『彼』は見たことのないほど綺麗な顔立ちだった。

「この製品、英国で設立したばっかの会社でね?日本国内ではまだ知る人ぞ知るってアイテムなの。今顧客増やすのにキャンペーンしてて、初月無料だから、あなたもやってみたら?近江さん、人当たりはいいけど、うぬぼれ強いとこは私も好きじゃないし。見返すの手伝ってあげる」

 言葉の最後に確かに「見返す」と聞こえて、私は遠藤さんを振り向いた。
 見返す…と呟くと、彼女は小首を傾げて私を見やった。

「彼女に、昨日も食堂で笑われたんでしょ?私、昨日愚痴を聞かされたの。ぶつかったくらいであんなこと言う子、正直こっちも鬱陶しくて…腹、立たない?」


             ✦


 私は都内の某住宅地の比較的安価な賃貸に建つマンションの一室で、一人暮らしをしている。
 外観はレンガカラーの建物で、15階建てのマンションの5階の北向きで、一番端から2番目にある「蒲田陽茉莉」とプレートが設置された部屋。その自宅に、私は暮らしている。
 遠藤さんに促されるように「アンドロイドロボット」を注文して、はや一カ月が経った頃。
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