苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~
「他にも……って、何ですか?」
「少し待てば分かるよ」
優しい眼差しをした課長がこちらを見つめる。その瞳を正視できず、視線を外へ向けた。窓に映る二人の姿は、まるでデートをしている恋人同士に見える。それに、いつもよりソフトに響く課長の声も、とても心地よい。彼の顔に時々視線を送りながら、勝手に二人だけの世界を過ごしていた。
「俺は好きだよ」
「……ぇっ!?」
突然言われた一言に驚き、近くにあった水のグラスを倒す。中の水がこぼれ、課長がそのグラスを素早く起こしてくれた。
「す、すみません」
「ぼんやりして、もう酔ったのか? 上層部の評価はとにかく、芦原の企画、俺は気に入ってる」
どうやら私は、会話の途中だった課長の言葉を早とちりして聞いてしまったらしい。
店員がおしぼりを持ってきてくれて、テーブルを片付ける。すぐに、フルート型のグラスに入ったスパークリングワインと、チョコレートとラズベリーが二層のグラデーションになったパフェが運ばれてきた。
「ここは最近、大人パフェとして人気店らしいな。時には、こういう調査も必要だろ? それに、好奇心旺盛な芦原が喜びそうだと思って」
私が……喜ぶ?