苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~

 商品開発課は電車で三十分ほどの距離の場所にある。企画課でおおまかな商品の味を決定し、それを元に開発課がレシピを作成する。それを基に試作品を作り、試食会で味を比較検討し、生産体制に入るという流れだ。

 普段、開発課とのやり取りはメールが多い。試食を重ね、レシピの変更や味の修正を何度も行い、調整して仕上げていく。しかし急な、それも上層部からの突発的な意見となると、一方的な場合もある。
 念のため開発課の担当者と直接打ち合わせをし、味の修正を行った方がいいような気がした。

 企画開発の仕事はコミュニケーションが第一だ。お互いの目的をしっかりと合わせることでうまくいく。これは課長から教わったことだった。

「あの、若松さん。詳しい打ち合わせをした方がスムーズだと思うので、直接行ってきますね」
「そっか。わかった。よろしく頼むね」

 さっそくバッグを掴むと、会社を出て駅に向かう。電車を乗り継ぎ最寄り駅に到着すると、そこから歩いて数分の場所にある、倉庫のような外観をした白い建物の前に立った。
 建物の中には調理場がいくつも設けられ、開発課の社員が、様々な試作品やレシピの作成ができるようになっている。

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