苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~

「ホントだ。何これ……!?」
「俺も今知ったよ。まさか、みんなを騙してたのか?」

 Bチームの女性が口元を押さえてスマホを見つめている。別の課の男性社員も驚きの声を上げていた。

「あの……いったい何があったんですか?」
「あぁ、朝一番の衝撃暴露。これだよ」

 近くにいた男性社員が自分のスマホ画面をこちらへ近付けて見せてくれた。
 それは社内掲示板で、誰でも匿名でアイデアや意見が出せる場所だった。見出しの文字が目に飛び込んでくる。


『これが真実の姿です。詳しくはこの下にあるSNSをチェックしてください』


 文字の下にはSNSのアカウントが添えられている。それをタップし、見せてくれた。そこには、ある女性の姿があった。

「これ……もしかして」

 
 どこかの綺麗なビーチで、カラフルなグラスに頬を寄せ、アップで写っている。
 その女性の顔を見て、思わず息が止まる。

 それは明らかに後藤さんだった。
 場所は日本ではなさそうに見える。肌はうっすらと日焼けして、楽しそうにウインクしていた。ブランドバッグを抱えて笑っている様子や、ランチを食べている姿、空港をバックにピースしている写真もあった。
 日付は二週間前になっている。そして、『サンキューパパ』という文字。

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