苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~

「そこまでです、部長。私の部下に無礼なことはやめてください」

 課長は私と部長の間に立つと、無表情で黙ったまま怒り狂う相手を見つめた。

「無礼なのはどっちだ。こんな部下のことなど、どうでもいいだろ。それより、今すぐこの投稿を消せ! きっと誰かが英美里を陥れようとして、このニセ画像を作ったに違いない。それから、この騒動をすぐに沈めさせろ!」

 課長は微動だにせず、彼のことを冷静に見つめている。私は後藤さんのことを英美里と呼ぶ部長のことを不思議に思った。

「部長、落ち着いていただけませんか。こちらも、いくつかお聞きしたいことがあります」
「はぁっ!? 何を今さら……」

 すると突然、部屋の隅から女性が走ってこちらへ近付いてきた。その女性が部長の前に立ち、顔を向ける。

「部長、お話があります!」

 そう声をかけたのは、Aチームの天野さんだった。
 大人数いるはずの室内は、水を打ったように静まり返っている。
 天野さんは部長の前に白い封筒を差し出した。そして、何かを決意したかのように、改めて真正面から見据えた。

「辞表です。私は、もうここを辞めます。でも、その前に謝ってください!」

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