苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~
会社で見かけた白のブラウスに、紺色のパンツスタイル。オフィス用の服装のままだ。恐らく、急いで買い物に出掛け、カレーを準備してくれたんだろう。
背後から覗き込んだせいか、一つに結んだ髪の隙間から、うなじが見える。その姿にドキリとし、一気に全身の温度が上がった。
社長からの依頼に応え、部長の件で、ある程度決着がついたら告白しようと決めていたが、もう待てない。会話をしていくうちに、彼女の気持ちを少しずつ確かめる。そして、心にあった想いをすべて吐き出し、芦原への気持ちを素直に伝えた。
「ずっと気になっていた女性は、すぐ目の前にいる。俺は芦原のことが好きだ」
彼女は目を潤ませ、胸にしまっていた想いを伝えてくれた。
「私も……ずっと好きでした」
耳に届いた言葉で、スイッチが切り替わる。彼女の背中へ手を回し、そっと抱き寄せた。柔らかな体に触れ、さらに強く抱きしめたくなる。熱が全身回り、指先に力が入る。
二人で過ごしているうちに、こうして同じ感情を抱いていたとは、思いもよらない。感情が昂り、自分の顔を近付け、彼女の頬をこちらへ向けた。