苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~
朝のミーティングを終え、企画開発本部の一角にある課長のデスクを覗くと、彼はすでに席へ戻っていた。
普段であれば、機械的な彼が部長から何を言われても、すんなり解決するだろうと他人事に思ってしまうけれど、今日は少し違って見える。
人間的な彼を垣間見てしまったせいだろうか……。
午前中は販売促進課との打ち合わせがあり、慌ただしくイベントの準備が進む。
そして来月は、半年に一度開催される社内コンペのプレゼンが控えていた。普段は商品企画課のメンバーがチームごとに競い合っているけれど、これは個人単位で行われる。
ターゲットとなる商品を選び、販売企画を考え、短いプレゼンを行う。
そして一つの企画が決定し、実際に採用される。
初めての参加を意識して、プランだけはかなり前から練っている。
果たしてどうなることやら、期待と不安が入り混じる。
午後一番の用事を済ませ、エレベーターに乗り込むと、すぐに女性が乗り込んできた。その顔を見て、思わず気を引き締める。
相手はAチームに所属する後藤 英美里だった。メイクをばっちり決め、編み込みを緩くまとめたヘアスタイル。服装は常に可愛らしくが基本のようで、ラベンダー色のブラウスに、花柄のフレアースカートが広がっている。