苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~

 企画の内容は、最優秀賞のものしか発表されていないので、後藤さんがどんな内容をプレゼンしたのかまでは確認できない。

「そっか。あんなふわふわしてるキャラなのに、案外やり手だったんだなぁ」

 佐伯さんが腕組みをして、感心するように呟く。志田さんは難しそうな顔で想像を膨らませている。

「ふ~ん。チーム内では、仕事もしないで外見ばかり気にしてるって噂だったのに。可愛いだけが取り柄じゃないんだね」

 志田さんの言葉にどこか嫌味が含まれているのを感じた。確かに後藤さんに抱く周囲の印象はあまりよくない。そんな彼女が選ばれたことで、不満を持つ者が現れても不思議ではない。

 まぁ、仕方ないよね……。

 私には、まだまだ力不足だった、ということが理解できただけでも儲けものだ。
 気持ちを切り替え、コンペに参加した者全員に送られている評価シートを改めて確認する。五段階で表した評価は比較的点数も悪くなく、ひとまず安心した。コメントには、概ね悪くはないけれど、突出したアイデアとはいかず……と書かれている。

 とにかく、無事に終わって評価ももらえたということだけは納得しよう。
 自分にそう言い聞かせ、廊下に出る。

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