苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~

 目の前には、ホテルラウンジのような雰囲気のシックなレストランと、大きな窓には煌びやかな夜景が広がっていた。

 案内された席からは素敵な景色が見える。まるで恋人と訪れた店のようで、胸の奥で鼓動が高まっていく。体中が火照り、このまま二人の時間が始まるのではないかと勝手に想像が膨らんでしまった。

 課長が何を考えているのか質問もできず、緊張したまま、遠くに見える眩い光を見つめた。途中、彼が店員を呼び止め、メニューを頼む。

「こんなところで何か勘違いされそうだが、今夜はあることを伝えたくて来ただけだ」

 私的な目的で来たわけじゃないと告げられような気がして、一気に目が覚める。危うく勘違いしそうになった私は目を覚ますために、こっそりと手の甲をつねった。

「あることって……何でしょうか?」

 そっと尋ねると、課長は真剣な眼差しをこちらへ向けた。

「コンペの結果は知っていると思うが、全体のランキングは三位までしか伝えられていない。俺も立場的に企画課にいる全員の成績だけは承知している。ただ結果が気になり、親しい役員に上位のランキングを尋ねてみたんだ」

 すると課長はテーブルに体を寄せ、私の目を見つめながら口元を緩めた。

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