勘違いだらけの契約婚
聖なる結界で弱体した今を逃す手はない。この禍々しい生き物が解放されれば、穢された大地が急激に増える。それはすなわち、民の絶望が広がることを意味する。
(再封印なんて生ぬるい真似は選べない。もう二度と、皆が恐怖せずに暮らせるためならば命など惜しくはない。災厄を振りまくだけの邪龍はここで仕留める。たとえ、差し違えてでも──)
ミリアリアの思いに応えるように、結界が虹色の輝きを増す。
だが、不意に後ろから抱きしめられて、びくりと肩を震わせた。大きくてたくましい腕にすっぽり包まれて体が硬直する。腕の力は強くなる一方で、ミリアリアは身動きができなくなった。
まるで、一人で逝くことなど許さないとばかりに。
「君は俺の妻だ。代わりなんていない。責任感が強いのも結構だが、自分の身を大事にしてくれ。君はもう俺の半身も同然なのだから。──いいか、二人で生き延びるんだ」
「……え……」
「返事は? 俺のミリアリア」
「は、はい。仰せのままに」
従順に頷くと、安心したように体を包み込んでいた腕の拘束がほどかれる。
「結界の一部だけを解くことはできるか? 邪龍を仕留めるため、上部のどこかを開いてほしい」
(再封印なんて生ぬるい真似は選べない。もう二度と、皆が恐怖せずに暮らせるためならば命など惜しくはない。災厄を振りまくだけの邪龍はここで仕留める。たとえ、差し違えてでも──)
ミリアリアの思いに応えるように、結界が虹色の輝きを増す。
だが、不意に後ろから抱きしめられて、びくりと肩を震わせた。大きくてたくましい腕にすっぽり包まれて体が硬直する。腕の力は強くなる一方で、ミリアリアは身動きができなくなった。
まるで、一人で逝くことなど許さないとばかりに。
「君は俺の妻だ。代わりなんていない。責任感が強いのも結構だが、自分の身を大事にしてくれ。君はもう俺の半身も同然なのだから。──いいか、二人で生き延びるんだ」
「……え……」
「返事は? 俺のミリアリア」
「は、はい。仰せのままに」
従順に頷くと、安心したように体を包み込んでいた腕の拘束がほどかれる。
「結界の一部だけを解くことはできるか? 邪龍を仕留めるため、上部のどこかを開いてほしい」