追想と翼望(ついそうとよくぼう)君がいるから僕の時間が動き出す
 まだ物語は始まったばかりで、その先は佐藤旭にしか分からないのだ。それなのに藍はその先まで分かっていた。

乳母が残した手紙と白藍の姫の手紙は、読んでもいない。それなのに全てを理解しているのに驚いていた。白藍の姫が乗り移ったとしか言いようがないのだ。

どんなに旭が好きでも姫は、最後に悲恋の悲しさを背負ったまま若くして亡くなるのだった。それを思うだけでいたたまれない。

 旭はことごとく、小説なの姫の感情を藍だったらどうかと聞いてくる。それに答えて藍も小説の進む状況がスムーズにいくようにサポートをした。

編集者の仕事だから理由付けしているが、本当は旭と一緒にいたい気持ちがある。その思いは、ただ一緒にいるだけで幸せなのだ。白藍の姫もそう思ったに違いないと感じた。
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