続 追想と翼望(ついそうとよくぼう)君がいるから僕の時間が動き出す
「書いたことがないから時代小説は新鮮という意味?」
「そうです」
藍の熱意ある眼差しに押された感じて書くことを承諾した。実は時代小説は避けていた。
藍の存在しか見えない旭が書くのだから乱世の時代しかない。そして藍のことを書いてしまう。歴史にも残らない誰も知らない出来ごとを。
それが2人だけの物語として誰にも読んで欲しくないとは思わないが、それは旭にとって悲しい別離だ。
あの時代を書くことで、鮮明に思い出すことが辛すぎるだけなのだ。
違った物語を書いたとして白藍の姫のことが、脳裏に焼き付いている。だから他は書けないに決まっている。
このまま何を書くか旭は思いつかなかった。藍の思いに答えたいが、本当にあの乱世の時代を書くべきなのだろうかと迷っている。
藍との打ち合わせは、なかなか纏まらずにいた。時間の経過は早く気がつくと夕方になっていた。
「先生、もうこんな時間です。私はいったん出版社に帰りますね」
「うん」
「煮詰まらないように今日は、ここまでにしましょう」
「うん」
「また明日来ますね」
「明日は大学に行かないと」
「あ、先生が学生っていうこと忘れていました」
「でも昼には帰るから」
「じゃ、先生が創作に集中できるように家の用事をしましょうか?」
「本当に?」
「はい、任せてください」
「助かる。合鍵渡すよ」
旭は書斎のデスクの1番上の引き出しから鍵を出し渡した。藍はまさか鍵を渡されるとは思わなかった。
家族でもないし付き合ってもいないのに受け取ってもいいものかと考えた。
旭がいる時に家のことをしようと思っていたので、鍵を渡されんると戸惑うのだ。
そう思いながらも断って雰囲気が悪くなっては困る。だから受け取ってもいいかと思った。
旭にとって鍵を軽く渡せるのは、信用しているからだ。会うたびに藍への想いが募っていくのだった。
「そうです」
藍の熱意ある眼差しに押された感じて書くことを承諾した。実は時代小説は避けていた。
藍の存在しか見えない旭が書くのだから乱世の時代しかない。そして藍のことを書いてしまう。歴史にも残らない誰も知らない出来ごとを。
それが2人だけの物語として誰にも読んで欲しくないとは思わないが、それは旭にとって悲しい別離だ。
あの時代を書くことで、鮮明に思い出すことが辛すぎるだけなのだ。
違った物語を書いたとして白藍の姫のことが、脳裏に焼き付いている。だから他は書けないに決まっている。
このまま何を書くか旭は思いつかなかった。藍の思いに答えたいが、本当にあの乱世の時代を書くべきなのだろうかと迷っている。
藍との打ち合わせは、なかなか纏まらずにいた。時間の経過は早く気がつくと夕方になっていた。
「先生、もうこんな時間です。私はいったん出版社に帰りますね」
「うん」
「煮詰まらないように今日は、ここまでにしましょう」
「うん」
「また明日来ますね」
「明日は大学に行かないと」
「あ、先生が学生っていうこと忘れていました」
「でも昼には帰るから」
「じゃ、先生が創作に集中できるように家の用事をしましょうか?」
「本当に?」
「はい、任せてください」
「助かる。合鍵渡すよ」
旭は書斎のデスクの1番上の引き出しから鍵を出し渡した。藍はまさか鍵を渡されるとは思わなかった。
家族でもないし付き合ってもいないのに受け取ってもいいものかと考えた。
旭がいる時に家のことをしようと思っていたので、鍵を渡されんると戸惑うのだ。
そう思いながらも断って雰囲気が悪くなっては困る。だから受け取ってもいいかと思った。
旭にとって鍵を軽く渡せるのは、信用しているからだ。会うたびに藍への想いが募っていくのだった。